<iframe src="//www.googletagmanager.com/ns.html?id=GTM-XTSJ" height="0" width="0" style="display:none;visibility:hidden"></iframe>

25th

メニューを開く

番組表

ご加入はこちら

NEWS & COLUMN

木村浩嗣 連載コラム

リーガ解体新書
4バックが基本のリーガで急増している3バックと5バック

2017.03.15

【木村浩嗣コラム】4バックが基本のリーガで急増している3バックと5バック

写真:CLベスト16の第2戦でディ・マリア(パリ・サンジェルマン)に激しいタックルをするバルセロナのアルダ

文/木村浩嗣

先日行われたチャンピオンズリーグ(CL)、パリ・サンジェルマン戦でのバルセロナの奇跡の大逆転劇は、日本でも大きな話題になっていることだろう。この出来事は、リーガ・エスパニョーラにとっても戦術的な意味で画期的だった。

勝因の一つとしてルイス・エンリケ監督が採用した「3-4-3」が挙げられているが、リーガ第24節アトレティコ・マドリード戦ですでに3バックを試していたことで、今季のリーガで3バックまたは5バックでプレーしたチームが合計10、つまり半数に達したのだ。

準々決勝進出を決める6点目を挙げて一躍ヒーローになったセルジ・ロベルトは4バックの右SBとして起用されていたため、この試合はベンチスタート。同様に左SBのジョルディ・アルバディニュは出番がなかった。

これまでリーガと言えば4バックだった。約2年前の雑誌の企画で3バック特集をした時に調べたら、3バック、5バックを採用するチームはなんと0。スペインサッカー連盟が推奨する育成世代のシステムは「4-3-3」と「4-4-2」。ポゼッションサッカー&攻撃サッカー志向のリーガだから、フラットのオフサイドラインが簡単に作れてDFラインを上げやすい4バックが浸透したという事情もあった。

と同時に、4バック以外に偏見があったことも確かだ。単純にDFの人数が多いから、あるいは最終ラインが下がりがちだから3バック、5バックは“守備的で格下の戦術”と馬鹿にされていたのだ。最終ラインの人数だけで攻撃的か守備的か判断できないのは、バルセロナが3バックで果敢にラインを上げて前からプレスをかけた、あの大勝劇を見れば明らかなのだが…。

3バック、5バックを採用したチームを順位表の順に並べると、レアル・マドリード、バルセロナ、セビージャ、アラベス、ベティス、マラガ、レガネス、グラナダ、スポルティング・ヒホン、オサスナとなる。

一見すると明らかなのは、失点を減らすための“駆け込み寺”的に5バックが使われていること。ベティスからオサスナまでの下位に低迷する6チームは、守備の穴を塞ぐためにDFを5人にしたというのが本音。彼らの参考になったのは、昇格組で大健闘中のアラベスではないか。5バックで守り、カウンターでゴールするという古典的な戦い方に徹し、カンプノウでバルセロナに勝利する(第3節:2ー1)ビッグサプライズを起こしたことは記憶に新しい。

一方、リーガの台風の目となっているホルヘ・サンパオリ監督のセビージャに刺激を受けたのが、R・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督だった。R・マドリードとセビージャは1月の10日間でコパ・デルレイ(スペイン国王杯)とリーガで3回顔を合せることになったのだが、1戦目と2戦目で相手の3バックに手を焼いていたジダン監督は、「(手の内を知られていたので)別のことをしたかった」という理由で3戦目を驚きの3バックで臨んだ。

ほとんど練習していなかったというから、これは選手にとってもサプライズだった。だが不発に終わり、その後、数試合3バックを試してすぐに4バックに戻している。

今回L・エンリケが「3-4-3」に踏み切ったのは、パリ・サンジェルマン戦の大敗後の淀んだ空気を一掃する刺激が必要だったことと、右SBのアレイシュ・ビダルが大ケガをしてSBが手薄になったことが重なったからだろう。

だから“窮余の策”という意味合いが強いのだが、必要性こそやはり発明の母なのだ。もっとも、バルセロナの「3-4-3」はあのクライフの遺産というべきもので、誰かの真似やどこからかの輸入ではない。パリ・サンジェルマン戦で先発したピケマスチェラーノイニエスタセルヒオ・ブスケツラフィーニャメッシはグアルディオラ監督時代や育成時代に経験済みだったから導入はスムーズで直ちに結果も出た。

A・マドリードの台頭に続くビジャレアル、アスレティック・ビルバオ、エイバルの躍進で「ポゼッションのリーガ」という看板が外れ、今季はセビージャ、アラベスの大健闘+バルセロナの奇跡で「4バックのリーガ」という看板が外れた。

戦術的に柔軟になったリーガで、我われ観戦者にも柔軟な見方が求められている。

Text by木村浩嗣

Photo by Getty Images

木村浩嗣

木村浩嗣(きむら・ひろつぐ)

編集者、コピーライター等を経て1994年からスペイン・サラマンカへ。98年、99年とスペインサッカー連盟のコーチライセンスを2年連続で取得し、7年間少年チームを指導。06年9月に帰国して、『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年12月からスペイン・セビージャに拠点を移し、特派員兼編集長となる。15年7月、編集長を辞しフリーとしてスペインサッカーを追いつつ、2014-15シーズンにセビージャ市王者となった少年チームを率いている。

【この記事もオススメ!】

【関連リンク】
試合観戦を楽しむリーガ・エスパニョーラ16-17シーズン選手名鑑!!
リーガダイジェスト!どこよりも早く充実したリーガ最新情報をお届け。
【無料配信】リーガダイジェストEX ~ファンと一緒に延長戦~ ご意見募集中! #ligaex
WOWOWポイントを使ってサッカーくじ!!「WOWOWポイントBETTING」

PAGE UP

閉じる

シェアありがとうございます

WOWOWポイント pt GET!(1日1回)

WOWOWポイントを使おう!